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  私のバイク遍歴シリーズですが、誰も見てないやろうと思ってほったらかしにしてたら、
 先日2人のお客様に、続きは?と言われたので渋々(笑)再開
 
 20数年前からVツインエンジンにハマり、ツインばかり(途中アプリリアやW650にも 乗っ   てます)でしたが、ひょんなことからV4にも興味が沸き、
 10年以上前にヤフオクで土にかえる寸前の(笑)車両をレストアベースとして手に入れまし た。
  そう、伝説のHONDA VFR750R RC30です。
 といっても、実はこれが発売された頃私は4輪にしか興味がなく全く知りませんでした。
 そんな私がバイクショップで働くなんてその頃は夢にも思いませんでしたが…
  まあそれはまたお話するとして、引き取りにいった車両は写真で覚悟はしてましたが、
  想像を絶するコンディション(笑)

 
  
 
ブレーキは固着してキャリパーを何とか外し動かして、タイヤは硬化しまくり接地してた面が
 平らのままになっており、動かすとガッタンガッタンと…
 正直なところRC30じゃなければ捨ててるとこです。
といってもこの車両がどんなにすごいかなんて知らないので、まあ最悪ナンボかで
売れるでしょう、くらいな感じでレストアを始めました。
 幸いキャブなどはガスを抜いてたようなので、思ったよりましでした

メーターの距離は1万2千くらいでしたがエンジン関係のガスケットなどはすでに廃盤
だったので、まずキャブをオーバーホールしてエンジンをかけてみて、無事そうなら車体周り
のレストアを始めることに。
キャブ内部はそれほどひどくなく、清掃調整でいけました。
 そしてとりあえずエンジン始動。
  なんと何事もなかったようにアイドリングして吹け上がりもよく異音もなし。
 これはエンジン開けなくてすみそうだ。
 今なら高額ですが再販されてるので迷わず開けますが、当時は開けたら最後再利用しか
 ありませんでしたし。

 ここで私のエンジンが本格始動しました。やる気が俄然出てきます。

 片っ端から洗浄、磨き、再生を繰り返していきました。

ガソリンタンクが一番心配でしたが、アルミタンクはすごいですね!
20年近く前に(18年動かしてなかったそうです…)ガソリンだった物体が恐ろしい事に
なってる以外錆もなく、頑張って洗浄したら普通に使えました。鉄タンクなら絶対無理。
ただ、コックはひどいことになってたので、非分解なのをばらして他車種の中身を移植。

 なんとか使えるように。
スイッチも他車種から配線組み換え流用
 


少しずつ形になっていきます。

 Fフォークインナーチューブは再メッキ、ホイールは再塗装


 やっとここまできました。
キャブの同調とって、各部調整。
外装組み上げ。
  コツコツやってここまでで3年かかりました。まあ他のバイクもばらしたりしてるので。
 
 そして、全オーナーさんが20数年前に塗った外装を組み上げ
(全塗装の予算は捻出できませんでした…)
 一応完成!!
車検を取って、走ってみました。
 正直なことを言うと乗る前は「所詮20年前の伝説でしょ?今のバイクに比べたら馬力も
 全然ないし、後輪は18インチやし何も得るものはないんやろな、すぐ売っぱらおう」と思ってました。

 ところが!! 最初少し違和感はありましたが乗り込んで行くと、なんだこの自由自在感は!
 衝撃の乗り味… 開けたら開けた分だけトラクションがかかり正確に前に進んで行き、 
 コーナーではきっちり姿勢を作ってあげればグイグイ向きを変えながら立ち上がり、 
 ブレーキは握ったたら握った分だけ減速する。
  またV4のトラクション感はV2より開けやすく、低回転は粒の細かいV2みたいで、
 中速から高回転域は痺れる音で加速していき楽しくて仕方ない!
これは本当に20年前(当時)に作られたバイクなのか?!
 ワークスマシンは20年進んでるってよく聞きますが、それは本当でした。
 もちろん馬力はそれほどではありませんが、このバイクの価値は馬力ではなくハンドリング。
というか、全ての操作に対して正確に反応し、乗り手の意思に沿ってくれるところ。
 サスの動きも無駄がなく短いストロークでしっかり仕事をする。
 ミッションもガタや無駄がなく正確、シフトが楽しい。
 目から鱗でした。
 また少なくとも日本の公道を走る分でこれ以上の馬力は必要なのか?
 必要なのは使えない200馬力より、使い切れる100馬力なんじゃないのか?
 完全に自分の支配下にあるバイクに乗る楽しさと、自分の制御が全く及ばない領域をバイク
 任せにして乗せられてる状態が果たして楽しいのか。
 と、現在のバイクに対しての疑問が湧いてきたのも事実です。
  現在のスーパーバイクのベース車両が、技術の進歩によって得たものと、逆に失ったもの
 を感じる皮肉な感じがしました。
  正直なところ今の車両がもう少し公道を重視して、ちゃんと低速から楽しいバイクなら
  即購入すると思います。 
  たとえばR-1がもう少し車高落として、馬力を130馬力くらいにしてもう少し重い
  クランクを使ってカムも変えて低速からモリモリトルクなら即購入すると思います、
  まあ、個人的な好みの問題ですが(笑)

  話逸れましたが、RC30は乗り手の技量もはっきり露わになるところもすごいです。
  このころ色々な方に乗ってもらいましたが、上級の人ほど絶賛してました。
 またそこまで腕のないひともなんかすごいのはわかる、けど曲げれれませんと言ってました。

 とにかく、このバイクを乗り込んだあとは全ての車体のセットアップが変わりました。
 こういう風に作ったらいいのかと。
 もちろんレストアの勉強にもなりましたし。
  きっかけは大した動機ではなかったですが、本当に手に入れてよかったと思う一台です。
 残念ながらしばらくして手放してしてしまいましたが、かなり後悔してます。
  今の売買価格を見るとより一層(笑)